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東宝30㎝シリーズ 酒井ゆうじ造形コレクション ゴジラ(1984) 新宿副都心決戦 酒井ゆうじ氏 スペシャルインタビュー

「酒井ゆうじ造形コレクション」シリーズは、ゴジラ造形の雄として名を馳せている酒井ゆうじ氏のガレージキットブランド「ゴジラドリーム」を原型とし、作品選びから仕様など商品企画から酒井氏が関わり、ゴジラへの愛情とこだわりが誰よりも強い氏の厳しい監修の基に氏のハイクオリティな原型と塗装の再現を目指して商品化しています。



Q.酒井ゆうじ造形コレクション最新作「ゴジラ(1984) 新宿副都心決戦」がいよいよ予約開始となりましたが、今回の原型はいつ頃、劇中どのシーンをモチーフに造られたのかを教えてください。

酒井ゆうじ氏(以下、酒井氏):この作品は2017年夏のワンダーフェスティバルで自社のガレージキット新作として発表しました。
この映画のクライマックスでスーパーXと対峙するゴジラが微動だにせず口を閉じて睨みをきかせているシーンがとてもカッコ良く、いつか立体化したいとずっと思っていました。
84ゴジラには1号スーツと2号スーツが存在していて、背びれの配列や頭部に違いがあり、このシーンのゴジラは2号スーツが使用されています。
平成VSシリーズの原点とも言えるこの84ゴジラを、ポージングはもちろんのこと、2号スーツの背びれの配列・形状まで秘蔵の貴重な資料を基にこだわり抜いて再現しました。
中央の一番でかい背びれは実は84ゴジラにしかない背びれで、後のビオゴジ以降のスーツではこの背びれは全く使用されていません。その辺りも注目していただけたらと思います。

○原型写真①

○原型写真②

○84ゴジラにしか使われていない中央の一番大きな背びれ原型写真③


Q.酒井さんの84年版ゴジラは30センチでは始めてですよね。レジンキットが大好評だったと聞いていますが、実は私もこのゴジラのソフビ化を楽しみにいていました。

酒井氏: 84ゴジラは、今まで20センチ、胸像、ゴジラ全集で造形しましたが、迫力ある30センチサイズで造りたいとずっと思っていましたので2017年夏のワンフェスで発表できた時は嬉しかったです。
ワンフェスで新作をお披露目する時はいつも、展示の高さ・アングル・ライティングやバック背景などを工夫し、見に来てくれた方に作品のコンセプトを理解して頂けるよう気をつけています。
この84ゴジラではお客さんにたくさんカッコいい写真を撮ってもらいたくて夜の新宿の写真をバック背景に配置して展示しましたが、多くの方がカッコ良く写真に撮ってツイートして下さり大変好評でした。
84年版「ゴジラ」映画公開から35周年の今年に、この作品がソフビ完成品として皆様にお届けできることをお知らせできて私も大変うれしく思っています。

○2017年夏のワンダーフェスティバルでのビル背景を設置しての展示写真(酒井ゆうじ造型工房ブース)①

○2017年夏のワンダーフェスティバルでのビル背景を設置しての展示画像(酒井ゆうじ造型工房ブース)②

Q.酒井さんは毎回発売される当社商品についてアイテム選び、形状再現、彩色監修等商品づくりにも大きく関わっていらっしゃって、今回のゴジラで特にこだわった点等を教えてください。

酒井氏:今回彩色見本を製作する上で、様々な84ゴジラの当時の資料を見直し検証し、新たに発見した事含めこだわって彩色しました。
背びれに関して言えば、色は当時の資料では青みがかったパール塗装でしたのでその彩色を再現しました。

○青みがかったパール塗装再現の背びれ写真

Q.限定版は電飾仕様で背びれが発光しますよね。

酒井氏:はい、限定版はビオゴジ等他の平成ゴジラ同様スーツと同じ発光箇所の背びれが光ります。
今回のモチーフとなった劇中のシーンはナイトシーンですから発光仕様もその雰囲気が伝えられればと思っています。

○発光イメージ写真


Q.今回の弊社のHPの特撮イメージカットや撮影について教えてください。

酒井氏:毎回撮影は立ち会っています。全てのアングルにこだわってこの84ゴジラの魅力がお客様に伝わるようにスタッフ、カメラマンとともに撮影しています。
今回の特撮イメージカットはモチーフとなった劇中のあのシーンです。バックに新宿のビル群を入れ、手前にはスーパーXがいる想定で戦いの前の静けさや空気感が表現できるよう撮影しました。
その写真を元にデザイナーの方に特撮イメージとして、仕上げていただきました。

○特撮イメージ写真①

○特撮イメージ写真②

Q.今回のソフビ完成品の製品化にあたり酒井氏の原型と彩色を可能な限り再現すべく弊社も頑張っております。
最後に酒井さんからお客様にメッセージをお願いします。


酒井氏:このシーン、このポージングの84ゴジラは私がどうしても造りたかった大好きなゴジラです。そして何よりソフビ完成品は私自身が手にしたいとずっと願っていましたので、それを皆様にお届け出来る事を非常に嬉しく思います。
ぜひ通常版、背びれ発光の限定版のお好きな方を選んでコレクションに加えていただければ嬉しいです。


お忙しい所お答え頂きありがとうございました。
今後の「酒井ゆうじ造形コレクション」の展開にも乞うご期待ください。


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酒井ゆうじ氏 プロフィール
1958年生まれ 福島県出身。ゴジラを中心とする怪獣原型師。
自身が主宰する「酒井ゆうじ造型工房」で170作を超えるガレージキットを造形しており
大手メーカーの フィギュア・模型の原型も多数手がけ、その再現性・ 生物感・躍動感には定評があり
国内外に多くのファンを有している。
映画の仕事としては1994年『ヤマトタケル』でオロチのひな形、1995年『ゴジラVSデストロイア』では
造形スタッフとしてゴジラジュニアの造形に携わり 1999年『ゴジラ2000ミレニアム』では
デザインワー クスとしてひな形を造形するなど、その仕事は模型に留まらない。
近年では福島県須賀川市の「円谷英二ミュージアム」で怪獣造形監修を務めている。
著書に作品集「GODZILLA DREAM」「GODZILLA DREAM evolution」(㈱ホビージャパン刊)がある。