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東宝30㎝シリーズ 酒井ゆうじ造形コレクション ゴジラ(1995) 香港上陸 酒井ゆうじ氏 スペシャルインタビュー

「酒井ゆうじ造形コレクション」シリーズは、ゴジラ造形の雄として名を馳せている酒井ゆうじ氏のガレージキットブランド「ゴジラドリーム」を原型とし、作品選びから仕様など商品企画から酒井氏が関わり、ゴジラへの愛情とこだわりが誰よりも強い氏の厳しい監修の基に氏のハイクオリティな原型と塗装の再現を目指して商品化しています。

Q.酒井ゆうじ造形コレクション最新作「ゴジラ(1995)香港上陸」がいよいよ予約開始となりましたが、この商品の原型となる作品について教えて下さい。


酒井ゆうじ氏(以下酒井氏):この作品は、映画『ゴジラVSデストロイア』公開20周年を記念して2015年に造形しました。

造形途中の粘土原型写真。

粘土原型完成写真


酒井氏:2016年冬のワンフェスで当工房(注釈:(有)酒井ゆうじ造型工房)のガレージキット新作として発表し、2016年2月に発行されたホビージャパンムック「怪獣大進撃リターンズ」の表紙も飾りました。
ゴジラが香港海上に出現後、九龍島に上陸したシーンのイメージで造形したものです。

2016年冬のワンフェスに新作として発表された。酒井氏自らクリアレジンに麦球を仕込み発光させている。


Q.映画『ゴジラVSデストロイア』は、酒井さんが造形スタッフとして製作に関わった映画ですね。


酒井氏:はい。この映画は私が初めて特美(注釈:東宝特殊美術部)造形スタッフとして参加した非常に思い入れの深い映画です。
当時私は、東宝プールでの撮影や特美での造形の仕事ののち、東宝スタジオでの撮影に入りました。
それがゴジラの香港上陸シーンの撮影だったのですが、その赤く発光するデスゴジの勇姿は、あこがれの場所に立っているというおののきとともに私の心に深く刻まれて今も忘れることができません。

当時、この経験を1つも忘れたくはないという思いで撮影現場で見聞きした事柄や様々な出来事や感想を日記として仕事の合間にノートに記していました。
粉塵と塗料で汚れたその1ページ1ページが貴重な経験と共に今の私の宝物となっています。 2016年にデスゴジ20周年記念作品をと考えた時、迷わずこの時の感動的なデスゴジを再現しようと思いました。

『ゴジラVSデストロイア』にて酒井氏が特美造形スタッフとして参加した際の思い出の品。ノートは貴重な氏の日記。
今も現役のヒーティングガンのコードに付いている塗料はゴジラジュニアのスーツのものだそう。


Q.この作品は今にも動き出しそうで、当時の酒井さんの感動が伝わって来るような素晴らしい造形です!
さて、商品についてですが、いつもの様に一般流通版と限定版が発売されますが、酒井さんのそれぞれのこだわりと見所を教えて下さい。

酒井氏:今回の「香港上陸」は、一般版、限定版共に塗装で発光を表現しています。
酒井ゆうじ造形コレクション前作のゴジラ(2016)で、電飾しなくても塗装で美しい発光表現が可能である事が証明されました。
今回の「香港上陸」の限定版も、クリア素材の内側からシルバー塗装をし、表面に発光塗装をするというこだわりの塗装方法で発光感を強く出し魅力的なデスゴジに仕上げました。
さらに限定版では劇中では発光していない尾の背びれにも発光をイメージした塗装を行い、より赤く燃える迫力あるデスゴジになっています。

一方一般版では、「デスゴジスーツの再現」をコンセプトとして、背びれ発光塗装を劇中と同じく背中の背びれのみにし、凝った塗装で燃えるデスゴジに仕上げることで劇中のゴジラを忠実に再現しています。
もちろん赤、オレンジ、黄色などのボディの発光色・発光部位は一般版、限定版共に、劇中スーツの再現にこだわり忠実に塗装しています。


Q.今回も作品の撮影に立ち会われかっこいい写真が撮れましたが、撮影は如何でしたか?


酒井氏:イメージ写真は赤い炎の照り返しや煙の表現にこだわり、その他の写真もライティング・アングルに細かい注文を出し1枚1枚時間をかけて撮影して頂きました。
たくさんの角度からの画像で商品のイメージを的確に掴んでもらいたいと思いましたので一般版・限定版の画像をあえて同じアングルに統一せず、両方の画像を合わせ見て形状確認して頂ければと思います。
撮影はいつもとてもうるさく注文を出しますので時間もかかるし申し訳ない思いは大いに有るのですが、どれもお客様に喜んで頂きたい一心で、ということにして自分が一番喜んでいるっていうのがホントのところですね。(笑)

限定版イメージ写真


Q.たくさんの酒井さんこだわりの画像を参考に是非多くの方にこの作品の魅力を分かって頂きたいと思います。
最後に、購入を検討されている方、迷っている方に向けて酒井さんよりメッセージをお願い致します。

酒井氏:デスゴジは、当時、私のみならず多くのゴジラファンが衝撃を受け心を震わせたゴジラです。
赤く燃え上がり、命が尽き、再生を予感させるこのVSシリーズ最後のゴジラは、平成の幕が下り、新しい時代の幕開けという運命のような時にお届けするにふさわしいゴジラではないでしょうか。
劇中のスーツに忠実な一般版、より赤く燃える迫力の限定版、甲乙付けがたい大変魅力のある作品になっています。大いに迷って、是非我が物としてかっこいいデスゴジを間近で堪能して下さい。


お忙しい所お答え頂きありがとうございました。
今後の「酒井ゆうじ造形コレクション」の展開にも乞うご期待ください。


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酒井ゆうじ氏 プロフィール
1958年生まれ 福島県出身。ゴジラを中心とする怪獣原型師。
自身が主宰する「酒井ゆうじ造型工房」で170作を超えるガレージキットを造形しており
大手メーカーの フィギュア・模型の原型も多数手がけ、その再現性・ 生物感・躍動感には定評があり
国内外に多くのファンを有している。
映画の仕事としては1994年『ヤマトタケル』でオロチのひな形、1995年『ゴジラVSデストロイア』では
造形スタッフとしてゴジラジュニアの造形に携わり 1999年『ゴジラ2000ミレニアム』では
デザインワー クスとしてひな形を造形するなど、その仕事は模型に留まらない。
近年では福島県須賀川市の「円谷英二ミュージアム」で怪獣造形監修を務めている。
著書に作品集「GODZILLA DREAM」「GODZILLA DREAM evolution」(㈱ホビージャパン刊)がある。